ジャケ・ドローからブランドを代表する「グラン・セコンド デュアルタイム」の新しいモデルが発表された。今回の新作はステンレススティールケースにブラックオニキスダイアルもしくはシルバーダイアルを合わせたバージョン、18KRG製ケースにアイボリーエナメルダイアルもしくはブラックエナメルダイアルを合わせたバージョンの計4モデル展開となる。
ジャケ・ドローの歴史は、そのルーツを辿ると旅に彩られていることが分かる。創業者であるピエール-ジャケ・ドローは、オートマタ(自動人形/自動機械)やオルゴール機構を組み合わせた時計を携え、スペインやフランス、イギリス、オランダ、ロシアなどヨーロッパ中を旅行してまわった。スペインで成功を収めたのちロンドンへと進出したジャケ・ドローは、極東市場への足がかりをつかみ、中国やインド、日本へと事業を展開していく。
自然や鳥を愛したピエール-ジャケ・ドローの、詩情と機械技術を融合させた時計やオートマタは清の皇帝たちを魅了し、数百という作品が中国へと輸出されていった。現在でも故宮博物館にはジャケ・ドローの作品が数多く収蔵され、2019年2月には香港科学館において、2018年に迎えたブランド創業280周年を記念する特別展「時の至宝」が開催された。ブルガリ 時計 中古現在のジャケ・ドローにおいても、時計の機構に詩情のエッセンスを盛り込むことが踏襲されている。
既存の自動巻きキャリバーをベースに進化した機構
ニューモデルではシリコン製のヒゲゼンマイを備えた既存の自動巻きムーブメントをベースに、6時位置のスモールセコンドに24時間表示ディスクとポインターデイト表示を追加
ジャケ・ドローの象徴として知られる“8”を描くように配された時分表示とサブダイアルを持つトラベルウォッチ。新作モデルではそのデザインを見直し、6時位置のサブダイアル中央部に北極点を中心に広がる大陸図がデザインされている。これは今回発表された4モデルすべてに共通している。大陸図にはパウダー仕上げを施して立体感を与え、ブラックもしくはアントラサイトのミラー仕上げのベースを背景に、大陸が浮かび上がっているように見える。
新しい試みとして、24時間制による基準時刻(ホームタイム)表示は12時間ごとにふたつに分割されている。昼を白、夜を黒と色に色分けすることによって、ホームタイムの読み取りが直感的かつ瞬時に行えるようになった。文字盤上部に配された現地時刻(ローカルタイム)は1時間単位で時針を単独で調整できるようになっているため、旅先で素早く時刻を合わせることができる。また日付表示はローカルタイムに連動しているため、旅行者にとって使いやすい設計となっている。
ステンレススティールのケースにオニキスダイアルもしくはシルバーダイアルを備えたモデルは、旅行先のあらゆるシーンに対応する現代的なデザイン。一方の18Kレッドゴールドケースモデルはアイボリーもしくはブラックの高温焼成したエナメルダイアルを備え、ジャケ・ドローの伝統を受け継ぎつつも新たなる一歩を踏み出す逸品となっている。
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